ただ、練習試合をするだけなら岡山でやればいい。あえて宿泊込みで遠征をすることには大きな狙いがある。「チームビルディング」だ。食事や学年を超えた交流は中学生にとって大きな経験となる。今回の宿泊も大きな経験となっただろう。
島根遠征2日目。 昨日の課題と収穫を胸に、選手たちの成長がより色濃く見えた1日となった。 今回の合宿の締めくくりを振り返っていく。
朝食もまた「トレーニング」である

2日目の朝はバイキング形式の朝食チェックから始まった。 学生アスリートにとって、食事は練習と同じくらい、あるいはそれ以上に重要だ。
低脂質・高タンパクをベースに、炭水化物、ミネラル、ビタミンをどうバランスよく摂取するか。中学生が日常的に完璧な栄養計算をするのは難しいかもしれないが、こうした遠征の場こそが実践のチャンスだ。
「朝はあまり食べられない」という生徒もいたが、それでも「食べることも身体づくりのためのトレーニング」と捉え、必死に向き合う姿が見られた。この小さな意識の積み重ねが、数年後の彼女たちの血肉となり、成長の種になるのだと信じている。
1年生の躍動と、整いつつあるチームの形

試合を終えた1年生
会場の玉湯学園へ向かう道中、散り始めている桜が目に留まる。 8:00には完璧に会場設営を終えてくれている運営の方々には、本当に頭が下がる思いだ。本日は島根、鳥取、広島、山口から強豪クラブが集結。 その中で、今回は**「プチ1年生大会」**を開催した。1年生だけでチームが組める4チームでの総当たり戦だ。
最初は緊張で動きの硬かった1年生たちだが、試合を重ねるごとに声が出て、表情が明るくなっていく。楽しそうにコートを駆け回る姿に、指導している私も将来へのワクワクが止まらなかった。結果は3戦全勝。未熟な点はあれど、彼女たちにとって大きな自信になったはずだ。
一方の上級生組は、選抜練習に行っていた2人も合流し、ようやく全員が揃った。 最終セットこそ落としたものの、それ以外は全勝。安定感という面ではまだ課題はあるが、着実に力はついている。何より、1年生の試合を自分事のように楽しそうに応援する姿を見て、「少しずつチームらしくなってきたな」と手応えを感じることができた。
「楽しさ」を遠征に組み込む理由

全日程を終えた帰路、初の試みとして鳥取県米子市の『お菓子の寿城』へ立ち寄った。 目的はお土産選びと、ちょっとした休息だ。
「遠征先で遊ぶなんて甘い」と言う指導者もいるだろう。私自身、現役時代に遠征先で楽しい思い出作りをした記憶はない。しかし、今の時代、そしてクラブチームの在り方として、チームビルディングの一環に「小さな楽しみ」を置くことは必要だと感じている。
彼女たちはまだ女子中学生だ。適度なガス抜きはモチベーション維持にも繋がる。指導者もまた、固定観念に縛られずアップデートし続けなければならない。
帰宅、そして父の顔へ
岡山に戻れば、そこには日常が待っている。 玄関を開けた瞬間の子供たちの歓声、そして安堵した妻の表情。ここでようやく、私の肩の力も抜ける。
…と言いたいところだが、現実はそこから夕食と就寝の準備で大忙しだ(笑)。 買ってきたお土産を囲んでワイワイ騒ぐ家族を横目に、遠征をやり遂げた心地よい達成感に浸る。
忙しいことは、私にとって心地よいことでもある。 さて、来週末は家族の時間だ。子供たちをどこかへ連れて行ってやろうと思う。 仕事、クラブ、家庭。 やることは山積みだが、だからこそ人生は面白い。
忙しくもやり遂げる。バレーボールも家庭も支えていかなければならない。やっぱり「やるしかねえ」んだ。
【編集後記】 今回の島根遠征を受け入れてくださった皆様、対戦いただいたチームの皆様、本当にありがとうございました。また一歩、選手と共に成長できた気がします。


