中学生バレーボールクラブは、今が一年で一番忙しい時期ではないだろうか。
夏が本格的に始まる前に、各組織の全国大会予選が控えている。それに向けて、どのチームも今は最終の追い込みをかけている真っ最中だ。もちろん、週末になれば1日中練習試合が行われる。
今回は、そんな激務の裏側について書きたい。1日中練習や試合に出ている指導者の「家族」の話だ。若い指導者には、まだ手のかかる小さな家族がいることも多い。つまり、指導者がコートに立っている間、家の中はいわゆる「ワンオペ」状態になる。
指導者の朝は4:00から始まる

私の朝は早い。4:00には起きて、畑の水やり、洗濯、朝ごはんの準備を済ませる。
これは妻に「やれ」と言われているわけでもなければ、我が家で当番制が決まっているわけでもない。すべて自発的にやっている。「家事をやっていてえらいね」と褒めて欲しいわけではない。こうでもしないと、4人の男の子の育児と、バレーボールクラブ(岡山北sfivo)の両立を回すことができないからだ。
妻は5:30に起きる。私は、6:00ごろに起きてくる子どもたちの食事や着替え、皿洗いまでをすべて済ませてから家を出る。そこまでやって初めて、指導者としてのスタートラインに立てる。
今日は岡山県内での練習試合だ。私は7:30に家を出る。ここから先は、妻の壮絶なワンオペが始まる。
想像するだけで頭が上がらない、妻のタイムライン
私が出発した後の、妻と子どもたちの1日はこうだ。
- 9:00: 外に出て、公園などへ遊びに行く。もう6月に入り、外の気温は30度前後まで上がる。容赦ない日差しの中、日焼けと闘いながら、やんちゃ盛りの子どもたちを全力で遊ばせてくれる。
11:00: 帰宅して、すぐにお昼ご飯の準備と片付け。
12:00: 三男のお昼寝タイム。その間もお兄ちゃんたちは家の中で騒ぐし、何よりまだ小さな四男は、いつお乳を欲しがるか分からない。抱っこやおんぶを繰り返す妻の身体は、すでに悲鳴を上げている。
15:00: ようやく実家に遊びに行き、そこで私の帰りを待つ。

「これだけ?」と思う人がいるかもしれない。だが、男の子4人を1人で見るエネルギーは並大抵ではない。想像しただけで、私は妻に一切頭が上がらない。
チャリに乗せる、庭になったイチゴを観察する、兄弟喧嘩で怪我をする、勝手に裸になって寝る。今日だけでかなりのタスクを妻はこなしている。
これが1年に1回きりのイベントなら、そこまで深刻にはならない。しかし、遠征や練習試合、時には夜の懇親会や、連日の合宿(それこそ先日の島根への遠征合宿のような大がかりなものも含めて)など、年間を通して定期的に、当たり前のように続くのだ。
妻の理解とサポートなしには、この生活は1ミリも成り立たない。
現場はギリギリ。だからこそ「地域化」の裏側を見抜く必要がある
スポーツ指導者の裏側は本当に過酷だ。SNSを開けば「指導者の負担が大きい」という声が目につくが、大変なのは現場に立っている人間だけではない。本当に大変なのは、その裏で家庭を支えている家族なのだ。
子どもはパパと遊びたい。妻だってサポートして欲しい。だが、「じゃあ大変だからクラブを辞めたら?」という話には安易にならない。
地域のスポーツの現場には、若い指導者が絶対に、不可欠なのだ。私たちはその覚悟と使命感を持って現場に立っている。このブログを執筆して発信し続けているのも、同じ信念があるからだ。
頑張っているのは生徒や指導者だけではない。指導者の家族や、生徒たちの保護者の支えがあって初めて、組織は成り立っている。しかし、「現場の熱意と家族の犠牲」というギリギリのバランスで保たれている今の状態は、決して健全ではない。 これでは持続可能なクラブ活動など不可能だ。
最後に
現在、国や自治体が進めている部活動の地域移行(地域化)において、行政はこうした「指導者家族の負担」という、見えにくい裏側のリアルまで絶対に見抜かなければならない。そこを無視した表面だけの地域化が進んでも、成功するはずがないのだ。
永続的なクラブ活動に向けて、解決すべき課題は山積みだ。
だけど、「やるしかねえ。」未来の子どもたちと、地域スポーツのために。


