正直に言う。クラブを運営していると、部活動側からの「見えない圧」を感じることがある。
でも逆に、部活動の先生方と話すと、クラブへの「不信感」もちゃんと理解できる。 どっちが正しいとか、どっちが悪いとかじゃない。
ただ、お互いへの不満が「見えないところ」に溜まり続けているのは、現場にいる人間として肌でわかる。だから今日は、両方の不満を正直に整理してみようと思う。
クラブ化を進める立場である私が、あえて「部活側の不満」も代弁する。
それくらいやらないと、フラットに語れないから。
部活動側の不満——「クラブって、結局なんなん?」

①お金がかかりすぎる
部活なら無料か、ほぼタダで活動できた。ところがクラブに移ったら月謝、遠征費、ユニフォーム代…「スポーツするのに、なんでこんなに払わないといけないの?」
お金がないからスポーツを諦める子が出てくる。そこを懸念している人は少なくない。
②クラブ指導者…お前誰?
学校の先生なら、一応「教育のプロ」という担保がある。でもクラブの指導者って、何者?資格は?経歴は?どんな人が子どもに関わるの?「よくわからない大人に、うちの子を預けるの?」
この感覚、保護者としても理解できる。うちも4人いるから。信頼を積み上げるのはクラブ側の責任だ。
③学校との連携が取れない
テスト前、学校行事、進路…
部活なら学校内で完結していたことが、クラブだと全部バラバラになる。
「子どもの状態を、学校もクラブも把握できていない」という空白地帯が生まれる。
これは実際に起きている問題だ。
④「急に変えるな」という怒り
何十年も続いてきた部活動の文化。
そこに情熱を注いできた先生たちがいる。
それが「地域移行しろ」「クラブ化だ」と、上から一方的に言われる理不尽さ。
俺たちが積み上げてきたものは何だったんだ」
この怒りは、本物だ。感情論じゃない。そこには歴史と誇りがある。
クラブ側の不満——「なんで俺たちばっかり損するん?」

①施設が使えない・借りられない
学校の体育館は部活が優先。クラブは「外部団体」扱いで、使用料もかかる上に予約も取りにくい。同じ地域の子どもたちのためにやっているのに、なぜこんなに差があるのか。
地域化地域化言うならそこは共存していきたい。
施設の壁は、クラブ運営者が最初にぶつかる「現実」だ。
②「金儲け主義」と思われる
月謝を取るだけで、「クラブって営利目的でしょ」という目で見られることがある。いや、待ってくれ。その月謝がなければ、コート代も払えない。指導者に謝礼も出せない。活動が続かない。お金を語ることは、汚いことじゃない。
持続可能な環境を作るための、必要な話だ。
この誤解を解くのも、クラブ側の仕事だと思っている。
③大会・連盟の壁
中体連の大会には出られない。
地域によっては「クラブは別枠」「合同チームでもNG」のケースもある。
子どもたちが純粋に「試合がしたい」と思っているのに、組織の論理で門前払いされる。これは子どもの問題じゃない。大人が作った壁だ。
④行政・学校との温度差がありすぎる
クラブ化を進めろと言っている国・行政。でも実際に動くと、窓口が縦割りで、誰に相談すればいいかもわからない。補助金の情報は遅い。担当者によって答えが違う。
「やれって言うなら、もう少し整えてから言ってくれ」
この叫びは現場で動いているすべてのクラブ指導者の本音だ。
で、結局どっちが正しいの?
どっちも正しい。
それが答えだ。
不満のほとんどは、「制度」「情報」「お金」「信頼」——この4つが整っていないことから来ている。
部活側も、クラブ側も、悪者なんていない。
みんな、目の前の子どもたちのために必死にやっている。
ただ、今は「同じ方向を向いていない」だけだ。
まとめ
両方の現場を知っているからこそ、言いたい。不満をぶつけ合っている場合じゃない。
令和8年度から改革実行期間がスタートしている今、動かない選択肢はない。
部活もクラブも、子どもの居場所と可能性を守るという目的は同じはずだ。不満は「現状がおかしい」というサインだ。そのサインを無視せず、「じゃあどうするか」に変えていくしかない。
クラブ化は、部活動の否定じゃない。
部活動で育まれてきた情熱と文化を、新しい形で引き継ぐことだ。
その気持ちは、部活の先生も、クラブの指導者も、きっと同じだと信じている。
やるしかねえ。

